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在間扶美子あて  三月八日  (その2) [勝野睦人書簡集]





 リルケは僕にとっても広すぎる土地です。僕が耕したのはそのご

く僅かでしょう。しかしその僅かな部分だけは、「僕のリルケ」に

なりきっています。誰の解釈でもない僕の観たリルケに。それは普

遍的なものではないかもしれない。が、普遍的な理解などというも

のは、詩には不可能でしょう。どうかあなたも、「あなたのリル

ケ」を造りあげてください。

 リルケの数ある詩集のなかで、一番親しみ易いのは形象詩集でし

ょう。「秋の日」はその中でも有名ですが、僕の好きなのは「ガイ

ゼル橋」「花嫁」などです。「花嫁」はリリックとしては最高でし

ょう。(尾崎喜八訳「リルケ詩集」(角川書店)発行に出ています)

この詩集にある詩はまた一番やさしく、「神」の問題抜きでも読み

こなせます。が、新詩集のなかで展開するあの独自の空間ーー物と

こころ、外部と内部が互いに呼びかけあうような世界ーーの芽生え

が、そこかしこに、すでに見られるようです。このことに注意して

読まないと、リルケを誤解します。事実あまたいるリルケファンの

中には、単なる抒情詩人としてしか彼を知らない者が、随分大勢い

るようです。










以下、その3に続きます。




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